劇団櫂人第4回公演
「女の平和」
原作:アリストパーネス 翻訳:佐藤雅彦 演出・美術:篠本賢一
男ども、私たちをばかにするんじゃないよ!
2400年前の古代ギリシア・アテーナイ
戦争好きの男たちに抗議して女たちの闘いが始まった
<日時>2018年
5月30日(水)18:30開演
5月31日(木)14:00開演
6月 1日(金)13:00開演/18:30開演
6月 2日(土)14:00開演
6月 3日(日)13:00開演
<劇場>上野ストアハウス(JR上野駅下車徒歩8分)
<料金>日時指定・全席自由席
一般:前売3800円 当日4000円
中高大学生:2000円(学生証提示) *小学生以下のご入場はお断りしています。
*チケット予約開始日:3月10日(土)
<CAST>
リューシストラテー:緒方美浮
カロニーケー:鈴木智美
ミュリネー:青木恵
ラムピトー:田中淳子
イスメーニア:森美穂子
アカルナイの奥さまたち:鈴木里花・住吉ひろ
コリントス人の女:小池恵子
爺さん行動隊隊長(ドラケース):金井賢一
爺さん行動隊隊員:永野和宏・鈴木寿和・丸谷朱澄・東條将孝・服部次郎・柘植英樹
婆さん行動隊隊長(ストラテュリス):向後正枝
婆さん行動隊隊員:宮下文子・高田邦子・田中淳子・小池恵子・鈴木里花・森美穂子・
住吉ひろ・佐藤陽子
お役人:東條将孝
スキュティア人奴隷の警官隊:森美穂子・鈴木里花・小池恵子・住吉ひろ
逃げようとする5 人の女:小池恵子・森美穂子・鈴木里花・住吉ひろ・佐藤陽子
キーネーシアース:丸谷朱澄
召使マネース:住吉ひろ(幼子の声:鈴木里花)
スパルタからの使者:柘植英樹
スパルタからの講和全権公使:永野和宏(劇団新人会)
アテーナイからの講和全権公使:鈴木寿和(劇団かるがも行進曲)
〝仲直りの女神〟さま:佐藤陽子
<STAFF>
照明/朝日一真 音響/山田健之 舞台監督/田中新一 音楽/高屋敷庄一 振付/石川弘美
宣伝美術/前嶋のの チラシイラスト/村上洋子 舞台写真/宮内勝
ビデオ撮影/大塚登(東京舞台映像) 制作/高橋俊也(THEATRE-THEATER)
協力/テアトルアカデミー・遊戯空間・(有)創新企画・アトリエそら・オフィスJOY
<演出の言葉>
21世紀になっても、世界中で殺し合いが絶えない。
それをどうすることもできずにテレビのニュースを眺めている。
もしかしたら人類はゆっくりと破滅に向かっているのだろうか、そんな暗澹たる気持ちになることがある。「平和」という言葉を口にすることが嘲笑される時代が来るとは想像できなかった。他国の脅威という理由で軍備増強を進めたり、国際貢献という名目で海の向こうで戦闘したりと、もはや日本は戦前、いや、戦時中とさえいえる空気に満ち満ちている。
さて、今から約2400年前に、ギリシアの喜劇作家アリストパーネスによって書かれた『女の平和』は、四半世紀も続いたペロポネソス 戦争 (前 431~前 404)への抗議を「セックス・ストライキ」という奇抜な発想で笑い飛ばした傑作だ。このドラマは、戦争をやめられない愚かな男たちへの批判と、戦争をやめさせるためにとった女たちの行動を描いている。
この痛快なアイデアは、近年になっても反戦行動として実行されているというから痛快だ。西アフリカのリベリアで、エレン・サーリーフ大統領、と平和活動家リーマ・ボウイー氏は、長引く内戦に終止符を打つべく、キリスト教徒とイスラム教徒との女性に「セックス・ストライキ」を呼びかけ、休戦に成功した。その成果によって、二人は2011年、ノーベル平和賞を受賞し、世界で称賛されたのである。
希望はまだある。こうなったら、人間の愚かさを徹底的に笑い飛ばしてやろう。
篠本賢一(劇団櫂人芸術監督)
<あらすじ>
リューシストラテーは、アテナイとスパルタとの戦争に明け暮れる男たちに対して、戦争を止めさせようと考え、敵味方の女たちに招集をかけた。集まってきた女たちに、戦争終結を要求して「セックス・ストライキ」を行おうと持ち掛ける。さらに、アテナイの軍資金を押さえるべく、女たちにアクロポリスを占拠させようとする。一旦は尻込みする女たちであったが、戦争終結のためならと誓いを立て合った。立てこもった女たちのもとへ、訪れる男たちのとった行動とは……。
<作者解説>
アリストパーネス(前445頃~前385頃)
古代ギリシア最大の喜劇作家。44編中11編が現存。主に、ペロポネソス戦争の騒乱の時代に活躍し、政治・社会・教育など、当時のアテナイの現実問題を痛烈に風刺した。代表作に哲学者ソクラテスを風刺した『雲』のほか、『アカルナイの人々』『蜂』『蛙』『女の平和』などがある。